生活保護でもらえる金額はいくら?誰でもわかる最低生活費の計算方法

生活保護制度でもらえる受給金額は、日本国憲法第二十五条の以下の理念に基づいて定められた最低生活費が基準になります。

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

最低生活費は住んでいる地域や世帯人数などによって異なるため煩雑に思われやすいですが、計算方法さえ分かれば簡単に算出することができます。

  • 単身者であれば1ヶ月あたり10万円〜13万円の生活保護費が受給できる
  • 夫婦2人世帯がもらえる受給額は15万円〜18万円
  • 母子家庭は母子加算によって平均で19万円もらえる
  • 子供がいる4人家族であれば30万円近く支給される世帯もある

図を用いながら分かりやすく解説していきますので、あなたが受給できる生活保護費はいくらになるのか計算してみましょう。

申請方法や受給条件についても、合わせて解説していきます。

目次

生活保護の受給金額はいくら?地域や世帯人員ごとの支給例を紹介

お金

冒頭で述べたとおり、生活保護の受給金額は最低生活費が基準になります。

最低生活費は、生活扶助と住宅扶助の合計金額です。

最低生活費=生活扶助+住宅扶助
生活扶助 食費や光熱費などの生活に必要な費用の保障
住宅扶助 住居を確保するために必要な家賃の保障

最低生活費は地域や世帯人員などによって異なるため、いくつか具体例を紹介していきます。

東京都八王子市に単身で住む40代男性の場合

生活扶助 住宅扶助 合計
78,600円 53,700円 132,300円

愛知県名古屋市に住む70代の高齢者夫婦の場合

生活扶助 住宅扶助 合計
117,160円 44,000円 161,160円

千葉県千葉市に30代女性と小学生の2人で住む母子家庭の場合

生活扶助 住宅扶助 合計
115,690円 49,000円 164,690円

上記の金額に母子加算の20,300円と児童養育加算の10,190円が上乗せされるため、最低生活費は195,180円です。

大阪府豊中市に住む小学生の児童2人と40代夫婦の4人世帯の場合

生活扶助 住宅扶助 合計
173,220円 55,000円 228,220円

小学生の児童2人に対して20,380円の児童養育加算が支給されるため、248,600円が最低生活費になります。

贅沢ができる金額ではありませんが、働けなくなり収入が得られなくなっても国から保証が受けられるのは心強いのではないでしょうか。

全く収入がないわけではないものの最低限度の生活を送ることが困難な人も、最低生活費の一部を受給できます。

年金等による収入がある人の支給額は最低生活費との差額

給料や年金などによる収入がある人は、最低生活費から収入を差し引いた金額が生活保護費になります。

収入がある場合の生活保護費

収入がある場合の生活保護費

最低生活費-収入=生活保護費

収入がなければ、上記で紹介した受給例のように最低生活費がそのまま生活保護制度から支給される金額になります。

収入がない場合の生活保護費

収入がない場合の生活保護費

最低生活費=生活保護費

最低生活費が15万円だった場合の生活保護費を収入金額別に表にまとめましたので、参考にしてください。

最低生活費15万円の人が受給できる生活保護費(収入別)

収入金額 生活保護費
0円 15万円
5万円 10万円
10万円 5万円
15万円以上 0円

では、あなたの最低生活費がいくらになるのか計算していきましょう。

2020年度の最低生活費の計算方法を簡単3ステップで解説

電卓とお金

住んでいる地域によって物価や家賃の相場は違いますし、単身者と4人家族では生活にかかる費用に差があります。

そのため最低生活費は、居住地や家族構成などに応じて異なります。

最低生活費を算出する方法は、以下のとおり。

  1. 居住地の等級を調べる

  2. 生活扶助の金額を調べる

  3. 住宅扶助の金額を調べる

一つずつ丁寧に解説していきますので、流れに沿って計算してください。

住んでいる地域の等級を調べる

まずは、住んでいる地域の等級を調べます。

等級は1級地-1から3級地-2まで全部で6つに分かれており、都会は等級が高く、地方になるほど低くなっていきます。

1級地-1 東京都23区、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、豊中市、神戸市、川口市、さいたま市など
1級地-2 札幌市、仙台市、所沢市、千葉市、市川市、船橋市、松戸市、横須賀市、宇治市、岸和田市、姫路市、明石市、岡山市、広島市、北九州市、福岡市など
2級地-1 函館市、小樽市、旭川市、青森市、盛岡市、秋田市、山形市、福島市、宇都宮市、川越市、海老名市、新潟市、富山市、金沢市、福井市、甲府市、岐阜市、静岡市など
2級地-2 夕張市、足利市、大垣市、多治見市、瀬戸市、松坂市、桑名市、加古川市、三原市、大牟田市、佐世保市など
3級地-1 北見市、弘前市、石巻市、米沢市、銚子市、高山市、伊勢市、鈴鹿市、彦根市、今治市、鳴門市、丸亀市、中津市など
3級地-2 1級地〜3級地-1に該当しない地域

すべての地域の等級は、厚生労働省が公表している級地区分を参考にしてください。

住んでいる地域の等級が確認できたら、生活扶助がいくらになるか計算していきます。

生活扶助として受け取れる金額を計算する

生活扶助は個人単位で支給される第1類費と、世帯単位で支給される第2類費に分けられています。

第1類費 食費や被服費。年齢に応じた基準額が1人あたりにつき加算される。
第2類費 電気代や水道代などの光熱費。世帯人員に応じた基準額が設定されている。

令和元年10月から令和2年9月における生活扶助の計算式は、以下のとおりです。

生活扶助基準②(第1類+第2類)×1/3+{(生活扶助基準③(第1類+第2類)+生活扶助本体における経過的加算)×3/2}

2020年現在、生活保護受給世帯への激変緩和措置によって段階的に基準額が改定されている最中にあり、少し計算式が複雑になっています。

計算式を2つに分け、左側から順番に算出していきましょう。

生活扶助基準②(第1類+第2類)×1/3の計算方法

生活扶助基準②の第1類として支給される金額は、以下の表を用いて算出します。

年齢ごとに基準額が定められていますので、世帯全員分の基準額を表から抜き出して合算してください。

生活扶助基準額②(第1類)

年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0〜2 26,660円 25,520円 24,100円 23,540円 22,490円 21,550円
3〜5 29,970円 28,690円 27,090円 26,470円 25,290円 24,220円
6〜11 34,390円 32,920円 31,090円 30,360円 29,010円 27,790円
12〜19 39,170円 37,500円 35,410円 34,580円 33,040円 31,650円
20〜40 38,430円 36,790円 34,740円 33,930円 32,420円 31,060円
41〜59 39,360円 37,670円 35,570円 34,740円 33,210円 31,810円
60〜69 38,990円 37,320円 35,230円 34,420円 32,890円 31,510円
70〜 33,830円 32,380円 30,580円 29,870円 28,540円 27,340円

次に、算出した生活扶助第1類の金額に逓減率を乗じます。

逓減率は、以下のとおりです。

逓減率

世帯人員
1人 1.000
2人 0.8850
3人 0.8350
4人 0.7675
5人 0.7140

逓減率を乗じた第1類費に、以下の表から抜き出した第2類費の金額を合算してください。

生活扶助基準②(第2類)

世帯人員 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 40,800円 39,050円 36,880円 36,030円 34,420円 32,970円
2人 50,180円 48,030円 45,360円 44,310円 42,340円 40,550円
3人 59,170円 56,630円 53,480円 52,230円 49,920円 47,810円
4人 61,620円 58,970円 55,690円 54,390円 51,970円 49,780円
5人 65,690円 62,880円 59,370円 57,990円 55,420円 53,090円

生活扶助基準額の第1類と第2類の金額を合算したら、最後に3分の1を乗じます。

これで計算式の左側は算出できました。

では、最低生活費を求める計算式の右側の部分についても同様に算出していきましょう。

(生活扶助基準③(第1類+第2類)+生活扶助本体における経過的加算)×3/2の計算方法

計算の流れは、同じです。

まず生活扶助基準③の第1類の表から、世帯全員分の基準額を抜き出して合算しておきます。

生活扶助基準③(第1類)

年齢 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
0〜5 44,630円 43,330円 41,190円 41,190円 38,340円 36,940円
6〜11 45,640円 44,320円 42,140円 42,140円 39,220円 37,780円
12〜17 47,750円 46,350円 44,070円 44,070円 41,030円 39,520円
18〜64 47,420円 46,030円 43,770円 43,770円 40,740円 39,250円
65〜74 45,330円 44,000円 41,840円 41,840円 38,950円 37,510円
75〜 40,920円 39,730円 37,780円 37,780円 35,160円 33,870円

合算した第1類費に、以下の逓減率を乗じてください。

逓減率

世帯人員
1人 1.000
2人 0.8548
3人 0.7151
4人 0.6010
5人 0.5683

以下の表から第2類費を抜き出して、第1類費と合算します。

生活扶助基準③(第2類)

人員 1級地-1 1級地-2 2級地-1 2級地-2 3級地-1 3級地-2
1人 28,890円 27,690円 27,690円 27,690円 27,690円 27,690円
2人 42,420円 40,660円 40,660円 40,660円 40,660円 40,660円
3人 47,060円 45,110円 45,110円 45,110円 45,110円 45,110円
4人 49,080円 47,040円 47,040円 47,040円 47,040円 47,040円
5人 49,110円 47,070円 47,040円 47,040円 47,040円 47,040円

第1類費と第2類費の合計が算出できたら、以下の表を参考に経過的加算も合算していきます。

生活扶助本体に係る経過的加算

算出した金額に3分の2を乗じたら、生活扶助における計算式の右側の計算も完了です。

最後に、生活扶助基準②と生活扶助基準③で算出した金額を合算しましょう。

住宅扶助として受給できる金額を算出する

生活扶助の金額が算出できたら、次はアパートの家賃代の保証として支給してもらえる住宅扶助の金額を算出していきます。

住んでいる地域や世帯人員ごとに受給できる基準額が定められていますので、以下の表で確認してください。

基準額の範囲内であれば、家賃代を全額受給できます。

1〜2級地 3級地
単身世帯 2〜6人世帯 単身世帯 2〜6人世帯
東京都 53,700円 69,800円 40,900円 53,200円
北海道 29,000円 37,000円 24,000円 31,000円
埼玉県 47,700円 62,000円 41,500円 53,900円
千葉県 46,000円 59,800円 37,200円 48,400円
神奈川県 46,000円 59,800円 43,000円 56,000円
愛知県 37,000円 48,100円 36,000円 46,600円
大阪府 42,000円 55,000円 30,800円 40,000円
福岡県 32,000円 41,100円 26,500円 34,400円
沖縄県 32,000円 41,800円 32,000円 41,000円

現在住んでいるアパートの家賃が住宅扶助の上限額を大きく上回る場合、引っ越さなければいけなくなることもありますので注意してください。

引っ越すときに必要な敷金等は、生活保護制度によって保証してもらうことができます。

上記に記載されていない地域については、厚生労働省の住宅扶助基準額の資料から確認してください。

では、最低生活費に加算額があるケースについても紹介していきます。

18歳以下の子供がいる家庭は児童養育加算を受給できる

母子手帳

18歳以下の児童がいる世帯は、最低生活費に児童養育加算を上乗せしてもらえます。

児童養育加算の金額は、以下のとおり。

3歳未満 11,820円
3歳以上18歳以下 10,190円
第3子以降の小学校終了前まで 11,820円

1人あたりにつき加算してもらえるので、2人の子供がいれば年齢に応じた加算金額が2人分受給できます。

妊娠期間中の人は栄養補給等の経費を補填するための妊産婦加算がある

妊娠している女性は、妊娠期間中から産後まで受給できる妊産婦加算があります。

趣旨としては栄養バランスの良い食事が摂れるように支給されるものですが、使い道に制限があるわけではありません。

妊婦健診にかかる費用は公費による補助制度だけでは足りない部分がありますので、補填のために利用するのも一つです。

支給される金額は、妊娠期間の月数に応じて異なります。

妊娠6ヶ月未満 8,960円
妊娠6ヶ月以上 13,530円
産後6ヶ月以内 8,220円

申告しなければ受給できないため、妊娠中または産後の人は忘れずに申し出ましょう。

母子家庭であれば18歳以下の児童1人あたりにつき母子加算がある

18歳以下の児童を一人で育てている母子家庭には、最低生活費に母子加算が上乗せされます。

加算される金額は、以下のとおり。

1級地 2級地 3級地
児童1人 20,300円 18,800円 17,500円
児童2人 24,200円 22,400円 20,800円
児童3人目以降 2,300円 2,200円 2,000円

母子加算は、18歳以下の児童がいる家庭に支給される児童養育加算と併給できます。

身体障害者障害等級が1〜3級の人は障害者加算を受けられる

身体障害者障害等級が1〜3級の人は、居住環境の改善のための費用として障害者加算を受けられます。

等級ごとに受給できる金額は異なりますので、以下の表を参考に加算額を確認してください。

1級〜2級 3級
26,310円 17,530円

厚生労働省の以下の記載からも分かるとおり、すでに障害者年金等を受け取っている場合は診断書を提出しなくても加算を認めてもらうことができます。

要保護者から関連年金等の裁定等を受けている旨の申告があったときは、保護の実施機関として特に診断書等を徴することなく当該裁定等の事実を確認のうえ相応の加算を認定して差しつかえないこと。

ただし母子加算との併給はできないため、どちらの要件も満たしている人は加算額の高い方を優先して受給することになります。

寒冷地に住んでいる人は11月〜3月まで冬季加算が支給される

寒冷地に住んでいる人は、冬になると暖房費が高くなって家計が圧迫されてしまいます。

そのため生活保護制度では、光熱費が高くなる11月〜3月に冬季加算が用意されています。

冬季加算地域は、以下のとおりです。

北海道、青森県、秋田県、岩手県、山形県、新潟県、宮城県、福島県、富山県、長野県、石川県、福井県、栃木県、群馬県、山梨県、岐阜県、鳥取県、島根県

例えば北海道の1級地-1に住んでいる単身者の場合、24,260円が生活扶助額に上乗せされます。

住んでいる地域や世帯人員によって加算額は異なるため、具体的な金額を知りたい人は冬季加算の概要を参考にしてください。

支給だけでなく医療費など免除される費用もある

生活保護受給者は、以下の支払いが免除されます。

  • 国民年金保険料
  • 国民健康保険料
  • 介護保険料
  • 介護サービスの利用料金(介護扶助)
  • 雇用保険料
  • 住民税や所得税、固定資産税などの税金
  • 医療費(医療扶助)
  • 水道料金の基本料金
  • 公営住宅の入居の保証金と共益費
  • NHKの受信料
  • 公立高校の授業料
  • 保育園の保育料
  • 粗大ゴミの廃棄料金
  • 出産費用(出産扶助)
  • 働くために必要な技能の習得にかかる費用(生業扶助)
  • 葬儀代(葬祭扶助)など

上記以外にも、ゴミ袋や公共交通機関の無料券を配布してくれる自治体もあります。

生活保護費を受け取れるだけでなく様々な支払いが免除されるのですから、かなり生活が楽になるのではないでしょうか。

年金や給与などの収入が最低生活費以下であれば生活保護費を受給できる

給料明細と電卓

生活保護でもらえる金額を算出できたものの、本当に受給できるのか不安な人もいると思います。

算出した最低生活費よりも収入が少なければ、原則として受給できますので安心してください。

最低生活費>収入=受給資格あり

最低生活費よりも収入が多い場合、受給資格はありません。

最低生活費<収入=受給資格なし

また収入が最低生活費を下回っていたとしても、働けるにもかかわらず働かない場合などは生活保護の認定を受けることはできませんので注意してください。

では、生活保護を受給するための基本的な条件について解説していきます。

精神病を含む病気や怪我によって働けない状態であることが前提条件

投薬

収入がなかったとしても、働くことができる健康な人は生活保護を受給できません。

生活保護は、病気や怪我などが原因で働きたくても働けない人のための社会保障制度だからです。

身体的に問題がある人や、うつ病など心の病気を抱えている人は生活保護を受給する資格があります。

持ち家や自動車などの換金できるものや預貯金がないか確認される

収入金額にかかわらず、預貯金がある人は生活保護を受けることはできません。

預貯金はなかったとしても、持ち家や自動車などの換金性の高いものを持っていると売却して生活費に充てるように指導されます。

以下のケースであれば不動産や自動車の保有が認められますので、手放したくない理由がある人も相談してみると良いでしょう。

  • アパートなどに引っ越すよりも、自宅に住み続けたほうが費用がかからない場合
  • 地方に住んでいて自動車がないと日常生活を送ることが困難な場合

年金など他の公的制度を利用できる人は優先的に使うことを勧められる

生活保護は最後のセーフティネットと言われており、他の公的制度を利用できないことが前提条件とされています。

まずは公的融資や公的扶助など、他の社会保障制度から支援を受けられないか確認する必要があるということです。

国から無利子でお金を借りられる公的融資制度について解説している以下の記事を参考に、利用できる制度を探してみてください。

援助できる親族がいないか3親等まで連絡して確認される

親族等に扶養してもらえる場合、生活保護よりも優先するように指導されます。

生活保護は国民の税金が財源となっているため、身近な人からの支援を優先するように言われるのは当然です。

とはいえ、援助できないか確認されるだけで強制されるものではありません。

また大学に進学したい子供がいる場合、世帯分離をすれば子供にアルバイトや奨学金による収入があったとしても生活保護の対象になりますので安心してください。

世帯分離すれば子供が大学へ進学することが可能

家

世帯分離をすると生活保護上の世帯員ではなくなるため、大学に進学したい子供がいる場合は世帯分離して家計を分けましょう。

世帯を分ければ、子供が進学費用を用意するためにアルバイトをしたり奨学金を利用したりしても生活保護を受給し続けることができます。

世帯単位で考える生活保護制度において、世帯分離して対象から外すことが許されるのか心配な人もいるかもしれませんが、これは自治体のホームページにも記載されている正式な方法です。

大学等に進学する場合は、”大学等を卒業するまでの間”は、自分だけは保護を受けずに親と一緒に暮らすことができます。
これを”世帯分離”とよんでいます。

大学に進学したい子供がいる場合は、事前に相談してアドバイスをもらっておくと良いでしょう。

ただし世帯分離した子供以外は、ローンなどの金融商品を利用できません。

ローンやクレジットカードを利用できなくなるデメリットに注意

ローンカード

生活保護を受給している人は、原則としてローンやクレジットカードを利用することはできません。

ローンやクレジットカードを利用するためには審査に通過する必要がありますが、ほとんどの金融会社は生活保護受給者の利用に消極的な考えを持っているからです。

とはいえ、生活保護法にローン契約を禁止する事項について記載があるわけではありません。

生活保護を受給している人でも、事実上はお金を借りられるということです。

生活保護受給者がお金借りる方法については、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

生活保護の申請は福祉事務所が窓口!手続きの流れを解説

福祉事務所

生活保護の条件を満たす人は、実際に受給の手続きをおこなっていきましょう。

手続きの流れは、以下のとおりです。

  1. 福祉事務所で相談をする

  2. 生活保護費の申請をする

  3. 申請後、支給が開始される

一つずつ、詳しく解説していきます。

福祉事務所に設置されている生活保護の担当窓口で相談をする

福祉事務所の生活保護を担当する窓口には、ケースワーカーと呼ばれる生活保護担当者がいます。

ケースワーカーに生活保護に関する相談をおこなうと、制度の説明や他に利用できる公的制度がないかどうか確認されます。

他に利用できる公的制度があれば、指示に従って改めて申請の手続きをおこなってください。

生活保護の申請をおこなうことで話しが進んだ場合は、手続きに必要な書類を記入して提出します。

生活保護の申請時に記入する書類は、以下のとおりです。

記載する内容
生活保護申請書 世帯全員分の名前や職業、保護を受ける理由について。
資産申告書 不動産や自動車、生命保険などの保有資産や負債について。
収入・無収入申告書 給料や年金などの収入金額について。収入がない場合は無収入の理由。
一時金支給申請書 引っ越しにかかる費用など、支給してもらいたい費用について。
同意書 勤務先や金融機関などに収入について調査することへの同意。

一時金支給申請書は、家賃が住宅扶助の上限を超える場合や住居がない場合に記入する書類です。

引っ越しの予定がなければ、記入する必要はありません。

生活保護費の申請をすると調査がおこなわれる

生活保護費の申請をすると、本当に生活保護を受けなければいけない状況にあるのかどうか事実関係を調査されます。

調査される内容は、主に以下のとおりです。

  • 家庭訪問による生活状況の実地調査
  • 預貯金や生命保険、不動産などの資産調査
  • 扶養義務者による援助の可否の調査
  • 社会保障制度からの給付や労働収入の調査
  • 就労の可否の調査

一つ覚えておいてほしいのが、調査がおこなわれた上で申請が却下されることはあっても、正当な理由もなく申請自体を却下されることはないという点です。

生活保護法の以下の記述からもわかるように、生活保護は国民全員に受給の権利があります。

(無差別平等)
第二条 すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる。

正当な理由もなく申請を受理してくれない自治体は、生活保護問題の一つである水際作戦をしている可能性があります。

申請する前に断られるのは間違っているため、とにかく受理してもらうよう訴えましょう。

申請が認められると支給が開始される

生活保護の申請が認められると、自宅に保護決定通知書が届きます。

ケースワーカーからも電話または訪問による報告がありますが、トラブルを避けるために必ず書面を受け取り、大切に保管してください。

残念ながら生活保護が却下されてしまった場合には保護申請却下通知書が届きますので、却下理由を確認しましょう。

却下理由に不服があれば、行政不服審査法に基づく再審査請求をおこなうことができます。

申請の可否は2週間〜1ヶ月程度で通知される

生活保護の可否の決定は早ければ2週間、遅くとも1ヶ月以内にはおこなわれることが生活保護法によって定められています。

第三項の通知は、申請のあつた日から十四日以内にしなければならない。ただし、扶養義務者の資産及び収入の状況の調査に日時を要する場合その他特別な理由がある場合には、これを三十日まで延ばすことができる。

申請から30日を過ぎても結果が出ない場合は、生活保護法で定められている期間から超過している旨を伝えて催促しましょう。

できるだけ早く生活保護を受給するためには、事前に必要書類を揃えておくことも大切です。

必要書類は事前に用意しておくと申請で手間取らない

申請から決定までには、どうしても2週間から1ヶ月かかってしまいます。

できるだけ早く生活保護費を受け取るために、事前に必要書類を用意しておきましょう。

種類 書類の名称
資産関係
  • 世帯全員の預金通帳(現在の残高がわかるように記帳してください。)
  • 加入している生命保険等の証書
  • 自動車やバイクの車検証又は標識交付証明書
  • 保有又は相続できる土地・家屋等の関係書類
  • その他、資産に関する書類(株式など)
収入関係
  • 給与明細書(前3か月分)
  • 各種年金の証書及び支給通知書(はがき)
  • 各種手当の支給通知書
  • その他、収入に関する書類
住宅関係 住宅の賃貸借契約書、現在の家賃が記載された書類
保険証等
  • 健康保険証
  • 医療証(高齢、自立支援、ひとり親、乳幼児等)
  • 障害者手帳
その他
  • 認め印
  • 毎月必要となる経費の領収書(医療費、介護費用等、光熱水費を除く)
  • 公共料金等の支払い状況が確認できる書類
  • 個人番号カード

すぐに用意するのが難しい書類については、申請後の提出も認められています。

初回支給額は申請日から月末まで日割り計算される

カレンダー

生活保護の申請が通ると、初回支給額として申請日から月末までの日数分の保護費を受け取ることができます。

例えば申請日が1月10日だった場合、生活保護費から9日分差し引いた金額を初回支給額として受給できます。

計算式にすると、以下のとおりです。

生活保護費÷31日×(31日-9日)

初回の支給に限り、支給日前に窓口にて現金を受け取れる場合がありますのでケースワーカーに確認してみてください。

生活保護費が支給されるまでの生活費が足りなければ、臨時特例つなぎ資金貸付を利用して生計を立てる方法もあります。

2回目以降の受給は、自治体が定める支給日に銀行振込または窓口にて受け取りましょう。

毎月2日や3日に支給日を設定している自治体がほとんど

生活保護費の支給日は毎月2日〜5日です。

自治体によって日にちは異なりますが、1日を除く月初に統一されています。

東京都江戸川区 毎月3日
大阪市東大阪市 毎月2日
神奈川県横浜市 毎月3日または4日

正確な支給日が知りたい人は、住んでいる地域を所管している福祉事務所のホームページを確認してください。

受給開始後は定期的にケースワーカーによる家庭訪問がある

インターホン

生活保護受給者には、ケースワーカーによる家庭訪問を受けることが義務付けられています。

義務付けられているというと身構えてしまうかもしれませんが、生活保護費によって生活が改善されたかどうか確認されるだけですので安心してください。

家庭訪問の頻度は、年に2〜3回程度です。

訪問日については電話などで事前に通知がありますが、電話を無視した場合は抜き打ちで実施されます。

家庭訪問を受けないと生活保護費の支給を停止される可能性もあるため、訪問日には必ず家にいてください。

また生活保護受給者のなかにはケースワーカーに頼りすぎてしまう人もいますが、良き相談相手ではあるもののホームヘルパーではありません。

ケースワーカーが生活保護受給者の自立を妨げると判断したことについては、越権行為になるとして一線を引かれますので覚えておきましょう。

全ての収入をケースワーカーに報告する義務がある

申請時よりも収入が増えた場合は、必ずケースワーカーに報告してください。

収入が増えたことを報告せずに生活保護費を受給し続けると、不正受給となり返還しなければいけなくなります。

悪質だと判断されて逮捕に至る場合もありますので、収入を得たらすぐに報告しましょう。

以下は、不正受給により逮捕された事例です。

逮捕容疑は2017年5月2日から9月5日までの間、本庄市福祉事務所に就労収入を過少申告し、生活保護費として5回にわたって計約46万円をだまし取った疑い。

労働による収入以外にも、親族からの援助や年金等の手当についても必ず報告してください。

著者情報

兵藤 憲吾

2002年名古屋工業大学 工学部を卒業。大手消費者金融で融資審査や返済部門を担当しながら2級FP技能士貸金業務取扱主任者の資格を取得。企業内FPとして2,400件の相談実績あり。2019年に当サイトの運営を開始。