リケジョ・インタビュー


左から成田さん、横山さん、中村さん

Vol.1
チームワークで乗り切った
ハードスケジュール

日本ロレアル リケジョ賞受賞
東京農工大学工学部4年
横山智美さん 中村真由美さん 成田美穂さん
(所属・学年は第2回サイエンス・インカレ当時のものです)

納得のいく結果を得たくて、3人で続けた研究

中村: もともとiGEMという合成生物学の国際大会に参加した事があってその 時に、“光る大腸菌”の研究発表をしたんです。その発表時には思ったような結果が出せなくて。

横山:サイエンス・インカレという発表の場があると言う事を知って、iGEMではやり切れなかった事を、サイエンス・インカレに向けて、もう一度取り組もうと思いました。

成田:iGEMのときは、研究室のメンバーや下級生をあわせて20人ほどのチームで取り組んでいたんです。

中村:それが、光で大腸菌がコミュニケーションをする件に関して、興味を持ったのがこのメンバーだったので、引き続き3人でこの研究を続けました。(サイエンス・インカレのグループでの出場は3人まで)

横山:先生からサイエンス・インカレの紹介を受けたことも理由としてあります。

成田:サイエンス・インカレに実際に参加してみて、世の中にこんなにサイエンスのことを考えている同世代の人がいたことに驚かされました。普段は自分たちの研究テーマしか見ていないので、このような大会に参加すると他の分野のスペシャリストが揃っているので、より深いことを知ることができて、新鮮な体験でした。

中村:私は4年生になるまで学生実験みたいなことしかやったことがなかったので、2年生とか、3年生の段階で色々な研究を重ねて参加している方はすごいな、と驚きました。

横山:私もそれは驚きました。まだ研究室配属される前の2、3年生の段階で、自分が興味を持つ研究を扱う教授のところまでわざわざ足を運んで、研究に取り組んだ、というエピソードを聞いて感心しましたね。

それぞれの強みを活かせるチーム研究

中村:卒論で取り組んでいた内容とは全く違う研究内容でしたので、サイエンス・インカレで発表するための視点をもって実験にも取り組んでいました。サイエンス・インカレの発表は、卒論と違い自由度が高いので自分たちのオリジナリティも出せるし、ある種インパクトのある実験結果を目指しました。

横山:卒論だと再現性のこととか、細かい実験条件の検討に力を注がなくてはならなかったりするのですが、サイエンス・インカレは皆が理解してくれて、興味を持ってくれるような実験結果を出せるように心がけました。
いつもと違う視点で研究を進めるは、私にとってはちょっと難しかったです。性格的に細かなことが気になるので、先にある大きな目標を見据えて進めなきゃならないのに、目の前の細かなことについつい目がいってしまったんです。

中村:三人で、お互いに話し合いながら、軌道修正しあいながら進めました。

成田:チームで取り組むメリットは、それぞれの強みを活かせることです。卒論研究の内容が3人とも異なるので、得意分野をそれぞれで分担したり、教えてもらうこともあったので良かったです。

中村:実験はとても几帳面な横山さん。データなんかもとてもきれいだし、スライドもとてもきれいにまとめてくれるんです。成田さんは培養のスペシャリスト。

成田:普段からガテン系の実験をしているもので。(笑)中村さんは遺伝子の実験のプロです。

横山:大腸菌を光らせたいときに、光る遺伝子を入れた、環状の小さな遺伝子 “ベクター”というものを作るんです。それを大腸菌に入れて光らせるんですけれども、中村さんはそのベクターを作るのが得意なんです。

成田:センスが求められる仕事ですね。

中村:チームで研究する時は、三人で集まる日は決めておくんです。それ以外は、一人とか、二人で進められる部分は進めて、役割分担していました。

成田:今までにプレゼンをしたのはiGEMの大会と、卒論発表くらいですね。それ以外はないです。

横山:外に向けての発表は、iGEMと卒論発表しかかありませんが、私たちの研究室では、各自一人持ち時間5分で、レジュメ、スライドを作って毎週研究発表をする機会があったり、半期に1〜2回は論文をまとめて発表したりと、プレゼンの場は多い研究室だったので、そこで鍛えられました。

成田:あまり発表に対して抵抗がないんです。サイエンス・インカレも周りにいろんな分野の人はいましたが、喋っているうちにだんだん気分が高揚してきて・・・。(笑)

横山:私は普段の研究室での発表はわりと落ち着いてできるのですが、サイエンス・インカレはすごく緊張してしまい、頭が真っ白になってしまいました。成田さんには助けられました。

成功イメージで、モチベーションアップ

中村:オン、オフの切り替え・・・私は楽しい予定は先にどんどん入れちゃいます。予定を入れた日は“実験をしない”と決めて。美味しいもの食べにいったり、フルートの練習をしたりします。

横山:研究は家ではやらないようにしています。土日は論文を読んだりしなくてはならない時もありますが、平日はなるべく学校で終わらせて家ではやらないようにします。家に帰ったら、しっかり寝ます。

成田:私も中村さん同様楽しい予定を入れちゃいます。あと、フィールドが違う人と会うと気分転換できるので、中学や高校時代の友達と会ったりしますね。既に社会人になっている友人、手に職をつけている子もいるので、いろんな刺激をもらいますね。“頑張ろう”って。

横山:健康に関して、私はそんなに気にしません、少々のことでは倒れないと思いますし、風邪なんかもひかないんです。体力には自信あります。

成田:疲れるし、元気足りないときはビタミンB1が足りないと思って、“豚肉だな!”と。研究が続いて日々の生活がハードになってくると、楽しみが食になるので、少しでも美味しいものを食べようと心がけています。

中村:私もどんなに忙しくとも朝ご飯は必ず食べるように心がけています。

横山:サイエンス・インカレの準備中は、研究室の同期とか、先生方がよくお菓子やジュースを差し入れてくれました。あと声をかけて、励ましてくれたりもしましたね。三人で色々な準備で慌ただしくしていると、「お疲れ!」とそっと差し入れを置いておいてくれるんです。

成田:卒論とサイエンス・インカレを同時進行していた頃は、始発、終電という日々だったんです。そうなると親も起きて晩ご飯を作って待っていてくれたり、有り難かったですね。2日間かえれなかった日があって、2日ぶりに母に会ったら、「生きてる?」と言われてしましました。

中村:私も結構夜遅かったりしたんで、そういうときにご飯がおいてあったりすると悪かったな、とは思うんですけど、有り難かったです。
そんな慌ただしい中で、モチベーションを保つには、小さい目標を決めること。すごい目標を決めるんじゃなくて、小さな目標をひとつひとつクリアすることで、自分を奮い立たせます。

成田:研究面で言ったら、妄想をします。自分の研究が将来多くの人の役にたって、製品化されて使われるということを妄想しながら、ニヤニヤしてみたり・・・。上手くいくかわかんないけど、成功するイメージを思い描きます。(笑)

横山:成田さんほどの妄想ではないんですけど、例えば「このデータがきちんと出たら」、あるいは「この実験が上手くいったら、先生が褒めてくれるかな」、と考えていますね。評価してもらうために、頑張ります。

リケジョならではの発想でプレゼンに工夫を

中村:スライドの作り方はイラストを使用したりと工夫しました。

横山:他の方のプレゼンのタイトルを見たときに、私たちのように大腸菌に遺伝子を組み込むような研究をしている人があまりいなかったので、親しみを持ってもらえるように大腸菌のキャラクターなどを使いました。
イラストで視覚的に判りやすくしないと、まず聞いてもらえないんじゃないかと思ったので、スライド作りは頑張りました。

成田:サイエンス・インカレのようにいろんな分野の方がいる場では、あまり専門用語を使わないようにしています。伝わりやすい言葉、表現はどんなものなのか?意識した部分はあります。言葉選びは悩みました。

横山:一度、全く異なる分野の勉強をしている妹に話してみたことがあるのですが「全然判らない」と言われました。(笑)これではだめなんだな・・・と。もう少し噛み砕いたほうがいいのかな、とか。

将来は人の役に立つ研究がしたい

横山:研究が好きなので、将来はできれば、研究に携われれば良いなと思います。企業で研究職に就ければ良いと思っています。

中村:基本的に“つくる”ことが好きなんです。音楽も、友達と一緒に曲を作りあげていく過程が楽しいと思っています。ですから製品開発、研究に携わり、自分のつくったものがいろんな人に使ってもらえると嬉しいです。

成田:私も研究職に就きたいと考えています。生きているうちに人の役に立つ物を、妄想ではなく(笑)、本当に良いと思ってもらえるものをつくりたいと思います。

横山:サイエンス・インカレの準備は確かに大変ですけど、やってみたら、意外にできるものだし、やりがいもありました。私たちも大変だとか、つらいとか思ったことは何度もありました。でも参加してみてとてもいい経験になったと思っています。一人では難しいとおもうなら、仲間と一緒にチャレンジして欲しいと思います。



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